防ごう、無くそう危険な大型車の車輪脱落事故
データーで見る大型車車輪脱落事故の現状
大型車による車輪脱落事故の発生状況は国土交通省の統計によると、季節では11月から3月の冬場の4か月間、発生するタイミングではタイヤ交換後1ヵ月から2ヵ月の間に集中して発生していることが明らかとなっています。
これは、夏タイヤから冬用タイヤへ履き替えるタイミングで、
- 適切な方法で取り付けられていない
- タイヤ交換後の点検及び増し締め作業の未実施
など、作業を行う方の経験不足や知識不足が一因である事も示しています。
タイヤ交換は適切な器具で、適正トルクで固定し、交換後数カ月はねじの緩みをチェックする点検作業が不可欠です。
タイヤが回転する方向とホイールを止めるねじが締まる方向との関係から、進行方向左後輪のタイヤの脱落事故が圧倒的に多いこともデータから読み取れます。構造上の問題である本件を防ぐには、やはり日々の足回りの点検が欠かせません。
資料及びデータ出展:公益社団法人全日本トラック協会
正しい知識と、正しい整備で車輪脱落事故は確実に防ぐことが可能です!
車輪脱落を防ぐ4つのポイント
- 確実な締め付け
締め付け方式には、球面座で締め付けるJIS方式と、平面座で締め付けるISO方式があります。既定の締め付けトルクで確実に締め付けます。 - 増し締めの実施
締め付け後は初期なじみによってホイール・ナットの締め付け力が低下します。50~100km走行後を目安に増し締めを行います。 - 日常の点検
1日に1回、運行の前に、ホイール・ボルト、ナットを目で見てさわって点検します。異常を発見したら直ぐに整備工場へ。 - ホイールの履き替え
スチールホイール、アルミホイールの履き替えには、それぞれ適合するホイール・ボルト、ナットの使用が必要です。必ず確認してください。
これらの作業や日々の点検には、適切な工具と部品の使用をおすすめいたします。